事務局の力(3)議事録の作成方法(PART2 総会議事録の印鑑)

引き続き、事務局の力3を更新しようと思います。

今回のテーマは【議事録の作成方法(総会議事録PART2 印鑑)】です。

事務局の力2では議事録に何を書くべきかということを検討してまいりましたが、今回は議事録(株主総会議事録 社員総会議事録 取締役会議事録)に印鑑を押さなければならないか?ということがテーマです。

結論から申し上げますと、株主総会議事録に印鑑を押す必要はありません。会社法318条に基づき会社法施行規則72条が定めているのは議事録の作成のみで、署名・押印は義務付けられてていないからです。

しかしながら、会社の定款には自らの企業統治(責任の所在明確化、議事録の偽造防止)の一環として議事録の作成の他、議事録の署名、押印まで定めている場合が多く見られます。

例)定款 〇〇条

【株主総会の議事については,開催日時,場所、出席した役員並びに議事の経過の要領及びその結果その他法務省令で定める事項を記載又は記録した議事録を作成し,議長及び出席した取締役がこれに署名若しくは記名押印又は電子署名をし,株主総会の日から10年間本店に備え置く】

このような記載がある場合には議事録には印鑑が必要となります。

また、定款とは別に法務局(会社登記の申請)から株主総会議事録に印鑑を要求されるケースがございます。会社の役員変更登記を申請する場合です。

代表取締役(代表理事)を株主総会で定める旨の定款の定めがある場合、株主総会議事録には議長及び出席した取締役が株主総会議事録に押印する必要があります。議長は通常代表取締役になりますので、代表取締役が法務局に届け出た印鑑で株主総会議事録に押印した場合、各取締役の印鑑は認印で足りますが、そうでない場合、出席した全取締役の印鑑証明書を添付して実印で押印しなければなりません(商業登記規則第61条4項1号)

事務局の運用面では株主総会(社員総会)議事録については定款の規定を確認した上で、代表取締役(理事長)については法務局届出印での押印、出席した取締役については認印での押印が必要であると考えていたほうがよさそうです。また法務局届出印(法務局に登録してある会社の印鑑 法務局で会社の印鑑証明書を取得可能)を万が一紛失された場合には、取締役全員の実印と印鑑証明書が必要になるケースがあることもご自覚ください。印鑑届、印鑑カード等ご不明な点がございましたらお気軽にご相談ください。